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霧と星のテムズ
デラックスマーガレット 1981年3月号に掲載。
掲示板での募集に、けろここさんからご応募いただきました。
けろここさんに大々感謝。
舞台はロンドン。新人女性記者のノーマが主人公。「陽の末裔」の卯乃を思わせる。あるとき、ノーマは助手として、憧れの「ミスト」という踊り子の取材に出かける。ミストは、東洋人と白人の混血で、神秘の踊り子であり、また英国一の人気女優でもある。
取材を通じて、ミストの職業婦人としての誇りを感じたノーマは、ますます尊敬と憧れを深める。取材の途中でレナードと言う男がミストに花を届けに現れる。彼は人気デザイナーで、ミストの衣装も手がけているのだ。また実は、ノーマの従兄弟でもあった。
次の日、ノーマは彼と、その婚約者ジュリアのパーティーへと出かける。ジュリアは、王族を母とする深窓の美姫で、彼女のドレスをレナードが手がけたことが、二人の馴れ初めであった。ノーマはジュリアを見ているうちに、どこかミストと似ていると感じる。
数日後、用事でレナードのアトリエに寄ったノーマは、そこでレナードとミストの密会シーンを見てしまう。慌てて逃げ出すノーマ。ノーマに知られてしまったことに気づくレナード。
レナードとミストのスキャンダル。記事にすればスクープだが、ノーマにそんなことが出来るはずも無い。だがノーマが悩んでいる間に、二人のことは他誌にすっぱ抜かれてしまう。
ノーマは心配してレナードの元へ行き、彼の話を聞く。レナードは「ミストとジュリアは似ている。」と話す。誇り高いジュリアを支えたい気持ち、ジュリアの精一杯の真心を愛しく思う気持ちに変わりは無いが、ミストとは見えない糸で結ばれている気がすること。まっすぐなミストの愛にうたれ、百編ものNO!を百一編目に言えなかったこと。
ノーマはそれを聞いて、みんな可哀想だと泣くのだった。
真実の話し合いが必要だと考えたノーマは、ジュリアと、その父の伯爵と共に、レナードのアトリエに向かう。アトリエには、レナードとミストが待っていた。そのミストを見て一番驚いたのは、意外にも伯爵であった。ミストは、伯爵がかつてインドで心から愛した女性の娘だったのだ。もしや自分の子なのでは、と問う伯爵。だがミストは、なんの証拠も無いからと、静かに立ち去る。けれどノーマにもレナードにも分かっていた。どこか似ていたミストとジュリア。見えない糸で結ばれていたのは、彼女たちのほうだったのだと。
やがてミストはイギリスを去る。レナードは初めからやり直したいと、ジュリアとの婚約を白紙に戻す。そしてノーマとレナードは「仕事」で、ミストのいるインドを訪れる。
ミストはそこにいた。何よりも似あう、自由な風と光の中で踊っていた。霧のロンドンにいた時よりも、ずっと生き生きとして。そんな彼女を見届けると、二人は黙ってインドを去ったのだった。
けろここさん的考察
新人記者、職業婦人としての誇り。「陽の末裔」の卯乃の原型がありますね。話としての必要性以上に、こういう点に重点が置かれている気がします。ライフテーマなんでしょうね。
くだらない感想として。レナードの情事をノーマが目撃するシーンで、窓辺に立つレナードがブリーフを履いてるんですが、これが子供心にもかっこよくないなあと思いました。裸がダメなら、カーテンで隠すとかしたほうが。。。パンツ一丁の男性って、なんかお間抜けです。
あと、見えない糸で結ばれているのが「ミスト」と「レナード」でなくて、「ミスト」と「ジュリア」だと知ったとき、レナードさん、がっかりしなかったかなと同情します。
・・・おちゃらけた感想ですみません。