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話してよ
別冊マーガレット 1977年4月号に掲載。
掲示板での募集に、けろここさんからご応募いただきました。
けろここさんに大々感謝。
今日は中学の卒業式。海棠桃(かいどう もも)はひそかに想い続けていた山吹草(やまぶき そう)にサインを貰いたいと考えていた。
けれど、彼は謝恩会の責任者として忙しく、挨拶ぐらいしか出来ないまま時は過ぎていく。そして結局、いつのまにか彼は先に帰ってしまう。間に合わなかった・・・もうおしまい・・・と、落ち込む桃。
数日後、桃は同窓会役員として学校に集まる。そこで樫すぎなと再会する。彼女とは、謝恩会のとき、飛び入りで詩の朗読を一緒にしたという縁があった。
「どこかに行きたいわね」と言うすぎなを、桃は遠出に誘う。
桃が誘った地は、彼女の思い出の場所だった。
一年生のときの校外学習で行った岬。山吹草と初めて話して、惹かれた岬。
そのとき、それぞれの友人たちと一緒だった桃と草は、「ここから海からの日の出が見えるんだって。」「だったら、向こう側からは海に沈む夕陽が見えるんだろうか。」「そしたらすてきだね」という話をしていたのだった。
桃は、そのときの夕陽を実際に見たかったのだ。
だが、道を間違えてしまい、桃とすぎなは夕陽に間に合わない。また、遅すぎた・・・卒業式のときと同じ・・・と、あの時の自分に重ね併せる桃。
そこにもう一組、上ってくる人影が。驚いたことに、それは草とその友人の二人だった。話を聞くと、二人も夕陽を見にきたのだが、間に合わなかったのだと言う。
見損ねたことを残念がる4人。こうなったら日の出の方を見てやろうということになる。
4人は近くのバンガローで話しながら夜明かしする。
そのときの話で、草がこの岬に来たのも、桃と同じ、一年の校外学習の思い出から・・ということが判明する。思いがけず心が通じ合っていたことを知り、照れる桃と草。
そして夜明け。海から上る素晴らしい朝日の中で、桃と草を含む4人は、特別なつながりが出来たことを暖かく嬉しく感じるのだった。
けろここさん的考察
あらすじでは省きましたが、前半、謝恩会のシーンや、卒業式の慌しいけど物寂しい様子も素敵に描かれている作品です。
あと、4人の名前がすべて植物にちなんでつけてあることに、これを書いてて初めて気が付きました。「海棠桃」「山吹草」「樫すぎな」それと、書いてありませんが、草くんの友人は「楡紫苑(にれ しおん)」でした。だから、なに・・・て訳ではありませんが・・(^_^;)
しかし、中学生が子供だけで泊りがけの旅行なんて普通しないのでは。私が親なら許さないなあ。・・・と、それだけちょっと突っ込みたくなる話でした。ははは。