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「風の杜夜話」シリーズ
あおば出版SAKURAミステリーの98年?月号から2002年5月号まで不定期連載
一話完結の歴史がらみシリーズもの。
SAKURAミステリー2001.1月号に1〜3話一挙掲載。
SAKURAミステリー2001.7月号に4〜6話一挙掲載。
SAKURAミステリー2002.3月号に7〜9話一挙掲載。
SAKURAミステリー2002.7月号に10〜12話一挙掲載。

2002年8月に待望の単行本第1巻が発行されました。収録作品は、1〜6話です。
2002年11月に単行本第2巻が発行されました。収録作品は、7〜12話です。
2003年2月に単行本第3巻が発行されました。収録作品は、13〜15話です。(併録:『千年の森』、『日の彼方』)


<登場人物>「 」内は雑誌における「紹介」

*海棠美鳥
「元・大手建設会社のデザイナー助手で、現在、骨董と花の店「風(ふう)」の雇われ店長。不可思議現象には弱いが共鳴しやすい」

*風宮高王
「「風」のオーナーで、鎌倉の旧い杜の家の主人。しばしば家系をさかのぼり、時空を越えて過去をさまよう魂を持つ」

*朝比奈多
「法科の大学生で「風」の副店長。高王とは親同士が古い友人で、つきあいは長い。高王と美鳥の世話役になりつつある」


杜に棲むもの <1>
(1998?)

黒襲 <2>
(1998?)

雪の太夫 <3>
(1999.2)

爛漫の死 <4>
(1999.8)

 花を買い付けすぎた美鳥さん。高王に青磁の瓶と染め付けの大壷は(蔵に)ないか、と訊ねる。
 許可を取った彼女は一人、蔵の中に入っていくと、生身ではない女性の姿が。慌てて高王を呼ぶと、花びらが吹き付けられていた一角に一振りの懐剣があった。
 懐剣をさやから抜くと血の曇りがあり…
 先ほどの女性が、姿を見せた。女性は懐剣の持ち主だという。だが美鳥の名を聞いて、「時は満ちていたのか」と消えていく。
 三人でひどをつきあわせて調べた結果、女性は、この風宮家の江戸初期の家老・水津木兵部の女、緑子だった。
 その当時の当主風宮松王と緑子は乳きょうだいであり、恋仲だった。
 だが二代秀忠の世、自由自立不可侵の風宮家にも、世間の嵐が待っていた。相模の本藩本多家は、当主に息女との縁組みを要求してきたのだ。受け入れなければ、松王は戦に出なくてはならない。
 緑子は「女でなければ殿のそばにいられる」と髪を切り落とそうとする。それを見た松王は引きとめ、二人は結ばれる。
 だが翌朝、「自分は戦に出るから子供を産んでくれ」と頼む松王に、緑子は「わたしが守りたいのは子どもじゃない 殿ご自身だ!」と叫び、花の中、自刃したのだった…

常盤木 <5>
(1999.11)

 10月。風宮家の屋敷杜には金木犀が花盛り。
 その中で美鳥さんが出会ったのは、金木犀の精だった。室町幕府滅亡のあたりから眠っていたというこの樹の精は、美鳥に気持ちを傾ける。
 雄株しかこの国には存在しない金木犀…寂しさが、自分を目覚めさせた美鳥に向いた。彼女と結ばれようとする金木犀の「ときわ」。だが間一髪、高王の願いにより、守護のたぶの木により、ときわは鎮められる。
 しかし美鳥は「来年はお友達から」と意気込むのであった。

寒月 <6>
(2000.2)

 時々「風」にやってくる主婦・佐伯。彼女はいつも、大壺「寒月」に「会いに」来るのだった。
 そんなある日、高王が祖先にとりつかれる。南北朝の終わり頃の風宮頼王だった。「高王が承知して自分に身体を貸した」と主張する彼は、生前の自分がやり残していたことを確かめるべく動き出す。
 夜の店に、「寒月」を確かめに行く三人。そこへ佐伯が裸足で歩いて来るのを見かけ、美鳥は店に招き入れる。彼女は夫の暴力に耐えかねて飛び出したのだった。
 しかし頼王は彼女を見て涙ぐみ、彼女もまた、頼王を見て、「寒月」と同じくらいに引き込まれそうな思いを感じる。
 彼女は生活の中で、いつも「ここではないどこか」を見ていた。そして「寒月」を見た時、「ああここだ」と思ったと。
 頼王の話す、自分の物語。鎌倉御所の姫を奪った彼は、「寒月」の中に姫君を隠した。必ず迎えに、という姫君を置いて、部下を逃がしに行った彼。しかし彼は供の者を守り、傷を負い絶命。姫君も鎌倉御所に届けられたものの、日を置かず他界…
 佐伯はその姫君の生まれ変わりだった。彼女の手を取る頼王。
 彼女の姿と頼王の心は、その時その場からかき消えた。自分に戻った高王は言う。「行ってしまったよ」

紫の花の姫 <7>
(2000.5)

 衣装蔵の中から、ふしぎな紫色の古裂を見つけた美鳥さん。高王の話だと、それはかきつばたの花をすり付けて染め付けたものだという。どうやらそれは鎌倉後期らしかった。
 杜若の咲く近くでふとまどろむ高王。だがその直後、自分が祖先の誰かの身体に入ってしまったことに気付く。
 かきつばたの向こう側には、尼姿の姫君。かおよという名の彼女は、鎌倉将軍家の生き残りだった。彼女は高王の記憶では、「風の御所 久子姫」と呼ばれた女性のはず。風宮家の祖と言ってもいいひとだった。その彼女が尼君であることに、高王は愕然とする。
 花の葉で切った手の血を、唇でぬぐいとる姫君。名を問われた高王の口からは、父・若王の名前が飛び出した。動揺する高王。手をさしのべる姫君を思わずはねのけてしまう。
 その拍子に姫君のかぶる帽子(もうす)も飛ばしてしまい、彼女の長い黒髪があらわになる。元々彼女は法体になったとはいえ、形だけのものだった。そんな墨染めではない衣が、かきつばたの色に染まる。彼女は花を摘み、自分の衣にすりつける。自分は決して覚悟などできてはいない、と。長い髪と花色の衣の女でありたい、と。
 姫君と抱き合う高王…だがその瞬間、彼は父の身体からはじき出された。
 もしかしたら家系図の久子姫の子、広王はもしかしたら自分の異母兄弟かもしれない、と思う高王であった。

銀公子 <8>
(2000.9)

秋化粧 <9>
(2000.11)

水仙寺 <10>
(2001.2)

真珠夫人 <11>
(2001.6)

百日の恋 <12>
(2001.8)

長月姫 <13>
(2001.11)

想いのまま <14>
(2002.2)

絢爛たる森 <15>
(2002.5)



私的考察

 SAKURA関係の話だけあって、「鎌倉」「伝奇」絡み。
 登場人物達が直接関わる話と、歴史が絡むものとアトランダムに出している印象を覚える。…そろそろ話もたまる頃だし…コミクス出してくださいよ…あおばさん…



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